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エニアグラム9つの性格の特徴とは?各性格を具体的な例で解説

エニアグラムとは人を9つの性格に分類する性格診断方法です。

エニアグラムには次のような性格があり、人は誰しもどれかのタイプに該当すると言われています。

  1. 完璧主義者
  2. 献身者
  3. 達成者
  4. 芸術家
  5. 観察者
  6. 堅実家
  7. 楽天家
  8. 統率者
  9. 調停者

この記事ではエニアグラムの9つの性格タイプについて紹介します。

なお、エニアグラムについては別記事で基本的な知識を紹介していますので、そちらの記事を読んでから性格タイプの紹介に入った方がおすすめです。

自分は9つの性格タイプのどれ?診断方法

9つの性格診断の方法については前の記事でも紹介しましたが、こちらの記事でも簡単に説明します。

エニアグラムの9つの性格タイプのどれに該当するかは質問に答えるだけで診断可能です。

代表的なサイトを紹介しますので「まだ診断していない」という方は、まずは自分の性格タイプを診断してみてください。

https://hoyme.jp/eniatest

「家族(友人、同僚、ビジネスの取引相手、上司)はこんな風に答えそう」と他人になったつもりで回答することで、コミュニケーションを取る相手の疑似診断などもできます。コミュニケーションを取る相手がどのタイプか見当をつけられれば、今後のコミュニケーションの参考にできるはずです。

改革したいタイプ1(完璧主義者)

タイプ1は完璧主義者であり道徳心や倫理観の高い性格タイプです。

タイプ1は漫画などで登場するクラス委員タイプだと説明すれば分かりやすいでしょうか。成績が良く正義感があり、悪いことをしたクラスメイトをズバッと叱る。そして、自分の仕事や勉強には完璧でなければならない(仕事にまじめできっちり)。これがタイプ1の人の性格です。

タイプ1はきっちり物事をこなしたいタイプなので、だらしない仕事やルーズな取引先などが嫌い。自分にも厳しいですが人にも厳しく「しっかり仕事をしない奴なんて駄目だ」となりやすいタイプです。

仕事でタイプ1と付き合うときは「仕事に厳しい完璧主義者」「ルールや約束に厳しい」と思って接した方が良いでしょう。

自分がタイプ1の場合は「こんな仕事ぶりでは駄目だ」と自分を追い詰めやすくなってしまいます。完璧主義者なので自分をマイナスの意味で追い詰めてしまいやすいタイプだからです。

タイプ1には2寄りの1と9寄りの1がいます。9寄りの1はより同情的かつ相手の気持ちを汲み取るタイプになり、2寄りの1は誰かのため、皆のために物事を成す献身タイプを併せ持つ1になります。

助けたいタイプ2(献身者)

タイプ2は人助けをしたい献身者としての性格を持っています。人の役に立つことが好きで、人の役に立てたときに生きていることや自分の存在を実感できるタイプです。漫画などに出てくるヒーローに献身的なヒロインなどを想像すると分かりやすいかもしれません。

タイプ2は良くも悪くも献身的です。人に寛大に与えることが大好きなのです。人に献身することで人との繋がりを保ち、人に愛されたいと無意識に願ってしまう性格タイプが2になります。

人に献身するためには、その人が何を欲しているか理解しなければいけません。職場や生活、友人関係においても人が困っているときや手助けが欲しいときを読んで気配り上手な一面を見せてくれます。

ただ、「本当にその人のためになるか」「その人が自分でやりたいと思っていないか」とまで考えないことも多く、有難迷惑と紙一重になってしまうことも少なくありません。自分がタイプ2の場合は献身が過ぎて心身共に疲れてしまわないよう注意が必要です。

タイプ2には1寄りのタイプと3寄りのタイプが存在します。1寄りのタイプは献身的な中にも「仕事をきっちり」という完璧主義者や厳しさが顔を覗かせ、3寄りの2は献身により成功や愛情を得ようとするタイプ3的な側面があります。

達成したいタイプ3(達成者)

達成者は成功すること(成功していること)を価値だと考えるタイプです。

タイプ3は社会的な地位や年収、肩書、学歴など社会的に「自分が勝利している」「自分は成功している」ことに満足を覚えます。反対に自分が社会的に成功していないと感じると、「私は何て無価値なのだろう」と精神的に弱ってしまうタイプです。

タイプ3は、漫画などに登場する仕事を活き活きとこなすバリバリのビジネスマン(キャリアウーマン)キャラクターを想像すると分かりやすいかもしれません。

タイプ3の特徴は自分の成功により得たものを相手に渡すことを一種の愛情だと考えるところ。

たとえば、地位を得て(成功して)高くなった給与を配偶者に渡すことにより愛情を示すことなどが代表的な例です。逆に考えると「あなたはお金を家に入れてくれたけど家庭のことは興味ないみたいね」で離婚されやすいタイプでもあります。愛情表現に金銭や物を贈りやすいタイプとも言えるかもしれません。

タイプ3は成功にこだわりますので、そのための努力を惜しみません。そのため、バリバリのビジネスマンに見え、実際本当にバリバリのビジネスマンであることが多いとも言われます。ただ、成功にこだわりすぎて自分自身が疲れることや、周囲に自分の考える成功像を押し付けないよう注意が必要です。

タイプ3にも2寄りの人と4寄りの人がいます。2寄りの人は「家族(会社)のため頑張ろう」と献身しがちなタイプ3。4寄りのタイプ3はやや理想主義者でロマンチストの傾向があると言われています。

個性を求めるタイプ4(芸術家)

タイプ4は個性や美しいもの、繊細なもの、抽象的なもの、夢などを愛する芸術家のようなタイプです。感受性豊かで本や映画、音楽など普遍的な価値のある物事が大好きで大切にします。漫画に出てくる個性的な芸術家肌のキャラなどはまさにこのタイプだと言えるでしょう。

タイプ4の特徴は「個性」と「ヤマアラシのジレンマ」。

タイプ4の人は感受性が豊かで美しいものが好きで、自分の個性や考え方にある種のプライドを持っています。個性があるということは自分の感性や考え方、ひいては自分自身は特別だということです。他人とちょっと違っているというところに優越感を持つタイプだと言えるでしょう。

ビジネスにおいては現実的な問題解決やチームでの仕事よりひとりで考えること(夢想のようなもの)、個性を活かせる仕事に向くかもしれません。

タイプ4はシニカルな面も持っており、理想に近づきたいが近づきがたいというジレンマを持っています。理想に近づくと駄目なところが見えてしまって自分の理想が崩れてしまうからです。「弁護士になりたい」と思って実際になってしまうと「辞めたい」と即座に考えるタイプです。

とは言え、世の中は理想もあれば現実もあり、暗いものもあれば明るいこともあるわけですから、自分なりに割り切って生きるしかありませんよね。

タイプ4には3寄りと5寄りの2パターンがあります。タイプ3寄りの4はより成功を求めたいタイプ4になり、タイプ5寄りはより知識を求めたいタイプになります。

調べるタイプ5(観察者)

タイプ5は知識を重視しひとりを好む学者タイプです。漫画に出てくる冷静な研究者や、やや他人の気持ちに鈍感で自分ひとりの趣味を大事にするようなキャラはタイプ5の適性があると考えて良いでしょう。

タイプ5は観察者であり知識を貯め込む人です。タイプ1は完璧さを拠り所にし、タイプ2は他人への献身が拠り所でした。タイプ3は成功です。タイプ5は知識を拠り所にする性格タイプなのです。

タイプ5の拠り所は知識で、いざとなれば知識を使って冷静に分析し、その知識で周囲を観察して物事を決めます。知識と知識に裏打ちされた分析で動くため、感情的になることも、感情で物事を決めることもあまりありません。世の中の物事は知識が解決するという考え方が根底にあるからです。

典型的な観察者で分析者。感情より理性の人。これがタイプ5です。

ビジネスにおいては知識と冷静さ、慎重さが役立ちますが、感情から離れたがるので感情豊かな同僚や熱血上司のような存在が苦手です。

感情表現豊かな同僚や熱血上司からは「もっと熱くなれ」「こいつ何を考えているか分からないな」と思われがちです。自分の感情とも距離を取りますが、ビジネス仲間の感情や感情的なタイプとも距離を取りがちなので、どうやって付き合っていくかが課題になることも多いでしょう。

タイプ5にも4寄りと6寄りがいます。4寄りはより理想主義かつ美しいもの好きのタイプ5になり、6寄りはより安全を求める堅実志向のタイプ5になります。

信頼を求めるタイプ6(堅実家)

タイプ6は堅実さや安定、信頼を求めるタイプです。

ビジネスなどでは自分がリーダーになるより安定感のある地位にいたいタイプでもあります。公務員など堅実で安定しているという職業に向くタイプです。反対に独立独歩で安定や堅実からは離れているフリーランスなどは「不安なのでできればやりたくない」というタイプが6です。

タイプ6は2の献身とは異なりますが、安定や堅実、安心のためにはよく働きます。自分が安心や安定を得たいため、そのために地固めするようなものです。

ただ、タイプ6は同時に信頼と不信のジレンマを持っています。安心できる場所にいるためには、そのグループ(会社など)や上司が信頼できるのか見定めなければいけません。

そのため、「この場所でおそらく安心だろう」という思いと、「いや、安心ではないかもしれない」「本当にここで働いていて安心を得られるだろうか」という気持ちを同時に持ってしまい、信頼と不信のジレンマに陥ってしまいがちなのです。信頼と不信のジレンマがあるからこそ、タイプ6は安心や信頼、堅実のためにビジネスをするタイプが6です。

タイプ6にも5寄りと7寄りがいます。タイプ5寄りはより冷静で知識を求め、タイプ7よりはやや楽天的なタイプ6になります。

熱中するタイプ7(楽天家)

タイプ7は9つの性格タイプで最も楽天的なタイプです。漫画に出てくるお調子者のムードメーカーなどはタイプ7の素養があると言えるでしょう。

タイプ7は楽しいことが大好きで、地道なことや面倒なことは苦手です。夏休みの宿題をせずに全力で遊ぶタイプになります。また、仮に宿題をするとしても、「できれば逃げたい」「どうしてもやらなければならないなら、苦手なところや面倒なところは後回し」というタイプです。

楽しいことは好きなのですが、暗いことや辛いこと、苦手なこと、地道なことは解決を後回しにしがちなのです。

ビジネスでも同様になります。楽しいことや気が向くことはやりたいのですが、地道な仕事や面倒な仕事は苦手です。パーティやイベントの企画などはとても向いているかもしれません。人と楽しいことをするのも大好きなので、社内のムードメーカー、同業種の盛り上げ役のようになることもあります。

タイプ7は嫌なことはやりたくないという明確なジレンマを持っています。仕事は楽しいことだけではありません。とても分かりやすい欠点とジレンマを持っているのがタイプ7です。

挑戦するタイプ8(統率者)

タイプ8はリーダーに向く統率者タイプです。

3はバリバリのビジネスマンタイプで成功を求める性格タイプでしたが、8は3とは異なり挑戦することや支配することが重要なタイプになります。漫画に出てくる統率力と風格のある王様や覇王のようなキャラクターはタイプ8の素養があると考えられます。

タイプ8は挑み続けること、強くあることを大切にするタイプです。高い目標に挑み、その目標を超えて屈服させること。自分は強いと証明すること。支配すること。そういった根底がタイプ8にあるため、ビジネスでは仕切りたがり屋で自信と野心にあふれるリーダータイプとして力を発揮します。

ただ、勝ちや挑戦にこだわることが良いリーダーシップに繋がれば良いのですが、ときに支配的なリーダーや独裁的なビジネスマン的な側面に繋がってしまうこともあります。人によっては「高圧的で怖いな」と感じるかもしれません。支配的になり過ぎないよう注意が必要です。

タイプ8にも7寄りのタイプ8と9寄りのタイプ8がいます。7寄りはやや楽観的で皆を楽しませることも得意なタイプ8、9寄りはやや8のアグレッシブな面が柔らかくなり、調停者的な側面も見せます。

平和を好むタイプ9(調停者)

タイプ9は平和のために周囲を取り持つ調停者であり平和主義者です。

周囲のために気を配っていさかいが起きないようにしている漫画のキャラがいますよね。また、一触即発のような雰囲気になると「喧嘩はやめて」と止めに入るキャラクターなどもいますよね。タイプ9は平和好きの調停者なので、こういったキャラクターはタイプ9の素養があると考えられます。

タイプ9は平和主義者なので周囲に悪い意味で緊張感のある空間や関係が苦手です。たとえば、数人いる仕事部屋でぴりぴりした空気が漂っている場合は室内の人間関係が平和になるように頑張ります。

また、タイプ9は周囲が喧嘩など平和とは言い難い状況になっていることを嫌いますが、自分がその渦中に置かれることも苦手です。

自分が怒ったり、周囲に不満を漏らしたりすると、自分が平和を乱す種になり、いさかいの渦中に置かれてしまいます。そのため、怒ることも苦手なタイプです。仮に怒らなければならないような状況に置かれると「平和を乱したくない」と葛藤がはじまってしまいます。仕事で部下や上司に強く出ることが苦手なタイプと言えるかもしれません。

タイプ9にもタイプ8寄りとタイプ1寄りがいます。タイプ1寄りはやや完璧主義者の傾向があり、タイプ8寄りは平和的な統率者タイプになります。

エニアグラムを学べるおすすめ書籍

この記事で紹介した各性格タイプについての説明はほんの一部でしかありません。エニアグラムは性格診断であると共に学問ですから、深く知ろうとすると「これだけ奥が深かったのか」と驚くことでしょう。

エニアグラムは基本的なポイントを知っておくことでもビジネスや人間関係に役立てることが可能です。また、より深く学ぶことで親子関係や恋人関係などよりいろいろな人間関係に活かせ、生きる上でさらに役立てられることでしょう。

読みやすいエニアグラムの専門書を3冊紹介します。仕事の合間などに理解を深めてはいかがでしょうか。

最後に

エニアグラムの9つの性格タイプについて簡単に説明しました。

今回はビジネスを中心にあくまで簡単に説明しただけです。専門書などでは各性格タイプはさらに詳しく説明されています。エニアグラムに興味を持った方は書籍などでより深く学んでみてはいかがでしょう。

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