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宮沢賢治の世界|人となりや代表作を紹介

宮沢賢治は日本の代表的な文豪のひとりです。

作風については記事中で詳しく触れますが、幻想的な詩や作品を多数の残し、現在でも文庫本などで多数出版されています。作品は学校の教科書にもよく掲載されています。「やまなし」や「よだかの星」「注文の多い料理店」など、作品名を耳にする機会も多いのではないでしょうか。

また、皆さんの中にも「学校の教科書で読んだことがある」という方は多いことでしょう。

「やまなし」などは、

クラムボンはかぷかぷ笑ったよ

で有名です。「このクラムボンとは何者か」「かぷかぷとは?」と、妙に印象に残っている方もいらっしゃることでしょう。

今回の記事では日本の文豪である宮沢賢治を取り上げます。人となりや作風、代表作のあらすじなど説明しますので、「何か本を読みたいけどどうじよう」と迷っている方や「教科書で読んで気になって忘れていた」という方は、この機会にぜひ宮沢賢治に触れてみてください。

宮沢賢治とは

宮沢賢治は岩手県花巻市出身の作家・詩人・絵本作家です。文筆関係で名を遺した文豪として知られていますが、宮沢賢治は他にも教師や宗教家、農業指導者、科学者などの顔も持っていました。

宮沢賢治は生前多くの作品を執筆しましたが、37歳で亡くなるまでの間に刊行された本はたった2冊だったと言われています。現在は海外でも愛されている作家になっていますが、名前や書籍がここまで有名になったのは若くして亡くなった後だったと言えるでしょう。

多くの顔を持ち、多くの作品を遺した愛すべき作家。それが宮沢賢治です。

宮沢賢治の作風

宮沢賢治の作品は短編が多いと言われています。長編を多く書いた作家ではなく、短編集などにまとめられる短編作品を多く遺した作家です。

宮沢賢治は、他の作家にはない独特の幻想的な作風が特徴になります。星や宇宙、大地など、自然や万物を幻想的な言葉や文章で作品に落とし込み、そこに不可思議で美しい世界が広がっているように感じさせてくれる作風です。また、中にはちょっと不思議な作品や、読後に「怖い」と思ってしまう奇妙な作品などもあります。美しく幻想的な作風でありながら、ときに不思議で奇妙。これが宮沢賢治作品の特徴ではないでしょうか。

また、宮沢賢治のもうひとつの作風の特徴に知識や学びを文章や詩に落とし込むというものがあります。学んだ科学や自然のこと、農業に関することなどを心象スケッチや童話など作品で表現するのです。

たとえば科学の勉強や研究をした場合、学んだことや研究したことを論文やデータにまとめることは現代でもよく行われています。宮沢賢治の場合は論文やデータにまとめるのではなく、作品にしてしまうのです。学んだことや研究成果を幻想的な世界観に落とし込み、文章作品にしてしまう作家が宮沢賢治です。

宮沢賢治の作品の面白いところは幻想と科学、現実と非現実、夢と学問がほど良いバランスで混ざり合い、独自の世界観を作り上げているところではないでしょうか。

宮沢賢治の代表作

宮沢賢治には有名な作品が多いため、代表作をひとつに絞ることは難しいと言えるでしょう。ただ、国語の教科書などでよく触れる作品や書店などでよく販売されている作品は、

・銀河鉄道の夜

・注文の多い料理店

・セロひきのゴーシュ

・よだかの星

・雨ニモマケズ

・やまなし

・風の又三郎

・どんぐりと山猫   など

宮沢賢治の作品は他にもたくさんありますが、書籍タイトル(表題作)としてよく使われている作品や、書店で入手しやすいのはこのあたりではないでしょうか。

物語の他に宮沢賢治の詩集なども出ています。詩集ではごく短い印象的な文章で、独特の幻想的な世界観を魅せてくれます。

宮沢賢治の人となり

宮沢賢治は岩手県花巻市の生まれです。

宮沢賢治は仏教の宗教家・研究家としても知られていますが、3歳のときすでにお経を暗唱していたと言われています。周囲が念仏を唱えるのを聴いて覚えてしまったのだそうです。幼い頃から仏壇の前に家族と一緒にお経を暗唱して育ったのだとか。

そんな宮沢賢治は幼い頃に赤痢で入院してしまいます。そのため、生涯腸が弱かったと言われています。

やがて宮沢賢治は小学校に入学。小学校のときに担任だった先生のひとりが、子供たちによく童話を話して聞かせていたそうです。このときの経験が後の宮沢賢治に大きな影響を与えたのだとか。また、小学生の頃に昆虫採集や鉱石集めに熱中したことも、後の宮沢賢治に影響を与えたと言われています。

中学卒業後は入院し、退院後は養蚕の手伝いなどを経験しました。入院などがあり気落ちしている様子の息子を見かね、家族は現在の岩手大学農学部への進学を進めたと言います。現在の岩手大学農学部に首席で入学した宮沢賢治はやがて紆余曲折あり、退学処分になってしまいます。

後、宮沢賢治は家業の手伝いや商品開発、学校の教師、農業の研究などに打ち込み、現在に遺る作品を多く執筆しました。亡くなったのは満37歳のときです。

宮沢賢治のおすすめ作品

宮沢賢治の代表作の中で読みやすく世界観を楽しみやすいおすすめ作品を紹介します。

宮沢賢治の作品を「読んでみようかな」と思うなら、おすすめ作品をぜひ手に取ってみてください。

おすすめ①銀河鉄道の夜

「銀河鉄道の夜」は宮沢賢治の代表作のひとつで、「読んだことはないが名前は知っている」という方も多いことでしょう。

銀河鉄道の夜はジョバンニとカムパネルラが銀河を走る鉄道で旅をする話。旅の間、目の前には見たことのない夢のような世界がいくつも広がります。銀河ステーションや牧場など、幻想的でありながら牧歌的でもあるのは宮沢賢治の生い立ちゆえでしょうか。

銀河鉄道の夜は宮沢賢治の幻想的な世界観を楽しめる世界ですが、根底に生や死への考え方もあり、噛めば噛むほど面白い作品でもあります。宮沢賢治の入門書としてはおすすめの1冊です。

おすすめ②注文の多い料理店

「注文の多い料理店」も宮沢賢治の代表作として有名ですよね。

注文の多い料理店は若い青年たちが奇妙な料理店を見つける話。童話として親しまれていますが、奇妙な雰囲気と青年たちののんきさに「大丈夫なのか?」とこちらが不安になってくる作品です。

ある青年たちが狩りのために森に行くと、森はおどろおどろしい雰囲気です。怖くなった青年たち。困ったふたりの前に現れたのが山猫軒という料理店です。

ただ、この料理店は実に奇妙なのです。店に入ると「体の泥を落としてくださいね」と言われ、「靴やコートを脱いでください」とも言われてしまいます。さらに、「金属製のものを外してください」という注文も。料理店は普通、お客さんの方が注文するものですが、この料理店はお客さんである2人の青年に次々と注文を出すではありませんか。

青年ふたりは実にのんびりしたものですが、このまま店側の注文を聞き続けたら・・・という不安感や怖さが常に付きまといます。結末はぜひ皆さんの目で確かめてください。

岩手県の宮沢賢治記念館と花巻駅前には、実際に「山猫軒」という料理店があります。宮沢賢治作品にちなんだメニューや岩手の名物を出していますので、旅行することがあればぜひ足を運んでみてください。

https://www.yamanekoken.jp/

最後に

宮沢賢治と作品について紹介しました。

宮沢賢治は日本を代表する有名作家・詩人のひとりです。本を読んでおくことでビジネスの場で話を広げることもできるでしょうから、「何を読もう」と考えている方は、この機会にぜひ宮沢賢治作品を読んでみてはいかがでしょう。

他にも芥川龍之介や夏目漱石などについても紹介していますので、そちらの記事もぜひチェックしてみてください。

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